動画スキルのすすめ

動画をつくるというとYouTuberというイメージが強いのですが、実はYouTuberの競争環境はすこぶる厳しく、10万人のチャンネル登録者がいないとインフルエンサーと称される存在にはなれません。しかし、この数字は芸能人でも難しい数字であり、ましてや私たち無名の者が挑戦してみたところでとてもかなうものではありません。
 今回提案する動画はこのような厳しいYouTuberになるためではなく、動画を活用して自分のビジネスの訴求につなげようというものです。
 では、なぜ今ビジネスに動画が必要なのでしょうか。


◆ 動画作成の背景


新型コロナウイルスの蔓延によって多くの飲食店が大打撃を受けています。将来このコロナ禍はどのようになっていくのでしょうか。完全に収束していくのか、収束することなくしばらくはコロナと共生していくことになるのか、医学界専門家の意見も分かれており、全く先の見えない状況であるといえます。それでも飲食店ビジネスの継続を考えるのであれば、完全収束ではなく、コロナとの共生下での取り組みが必要になってくると思われます。では、コロナ共生下においてはどんな飲食店が選ばれていくのでしょうか。



コト消費の時代とコミュニケーション力の重要性
 『コロナが加速する格差消費 分断される階層の真実』 三浦展著 (朝日新書)の中に、「リアルな店舗で消費する理由は、その店にいるヒトの魅力しかなくなる。一種のタレントというか芸人というか、それくらいのも力が店員、店主に求められる時代になる」とあります。今回のコロナ禍により多くの飲食チェーン店が閉店を余儀なくさせられているのはヒトの力ではなく、モノの力で経営を行ってきた結果であるといっているのです。
 確かに、私たち飲食の消費者はお店を選ぶときに、料理よりも、あの小料理屋の女将とか、あそこの焼き鳥やのあの大将といった基準で決めることが多いのではないでしょうか。
 またこの著書では、若い上流世代はお店の人とうまく話しながらモノを買いたいという傾向があるとも言っています。まさに、お店とお客様とのコミュニケーション力が選ばれる理由であると言っているのです。

 


ニューノーマルの時代
 ニューノーマルとは様々な要因によって社会が大きな影響を受けた結果、今までの常識や様々な活動様式が変わり、新たに構築される状態のことを言います。
 ニューノーマルという言葉は2000年前半にインターネットの普及により、今までのビジネスの常識が通用しなくなったころから使われてきましたが、今回のコロナ禍により再び注文された用語です。では、今回の変革はどのようなものなのでしょうか。

 今までの社会では、人と人とが直接に出会い、会話をし、理解し、互いに納得をすることで取引が成立したり、関係性が深まったりしていました。つまり、実際に対面することで得られること大切にしてきたのです。
 ところがコロナ禍により、これから迎えようとするニューノーマルな時代は、基本的に人と人との関係性を大切にすることから取引が生まれてくるという点では同じですが、物理的に大きく変化すると考えられるのです。例えば、人と人とが直接会うことなしにつながる環境が充実したり、場所や時間に制限されずに自由度の高い消費ができたり、オンラインで都市部と地方が同等のサービスを享受できたりするようになるでしょう。

ニューノーマル時代で必要なもの
 これからのニューノーマル時代には、人との関係性を構築する上で、従来の直接対面を重視してきた社会より、さらに質の高いコミュニケーションが必要だと言われています。そして、より質の高いコミュニケーションを実現し、これまでより人と人とのつながりを深めるために今最も注目されているのが、このような活動を支えるためのテクノロジーを活用するという考え方です。


飲食店事業の変革
 コロナ共生下において飲食店が存続するには大きな変革が必要となります。できる限り店内にお客様を取り込み密集させることでお店の評判につなげ、その結果として商品回転率を高め、コストを抑えることで利益を生み出していたのが今までの飲食店を代表する居酒屋という業態です。今この営業体系がコロナ禍によって否定されてしまっています。


 いろいろな統計を調べてみますと、お客様は飲食店を選択する理由として安全・安心を第一に挙げていることが分かります。もちろんすべての飲食店ではこれを周知しており、開店するのであれば自店なりの万全な準備は整えているはずです。安心・安全の対策は飲食店にとってもはや当たり前ことです。しかし、それが十分にお客さんに周知されているのかは別の話です。


選ばれるための動画
コロナ共生下で安心・安全対策が当たり前となっている今、選ばれるために必要な要素は、お店で働くヒトのコミュニケーション力と、それをニューノーマル時代に合わせた人と人とが直接に合うことなしに意思を伝えるテクノロジーの醸成です。この1つの手段が動画による伝達です